モノを届けるだけでは、足りない。──POPUPと、Y-Tagが目指すコミュニティ
スマートフォンで商品をタップすれば、翌日には手元に届く。そんな時代に、なぜY-Tagは手間も費用もかかるPOPUPを続けるのか。
3周年を迎えたこのタイミングで、その理由と、Y-Tagが次に目指す場所についてお話ししたいと思います。
ECだけでは、伝わらないものがある。
オンラインでの購買体験は、今や誰もが当たり前のように使うものになりました。それは便利であり、Y-Tagもその恩恵を大いに受けています。
ただ、ECには構造的な限界があります。
ブランド側からはお客さまの温度感が見えない。お客さまからはブランドの熱量や想いが伝わりにくい。そして「実際に手に取ってから購入したい」という方が、どうしても取りこぼされてしまう。
Y-Tagのような、個人から立ち上げたブランドは、店舗という固定費を抱える余裕がありません。その分のリソースは、商品開発に集中させたい。だからこそPOPUPという形が必要なのです。固定の箱を持たずに、リアルな接点を作れる唯一の場所として。
POPUPは、思い出になる。
実際にPOPUPを重ねる中で、気づかされたことがあります。
来てくださるお客さまは、こちらが驚くほどよく見ています。公式アカウントの隅々まで、発信の細部まで、ブランドのことを深く知った上で足を運んでくれている。その事実に、毎回ハッとさせられます。画面の向こうに、ちゃんとお客さまがいる。ブランド側も忘れがちなその当たり前を、POPUPは毎回思い出させてくれます。
そしてもう一つ、大切なことを学びました。
ネットで注文した商品は、手元に「モノ」として残ります。でも、POPUPに足を運んで、誰かと言葉を交わした時間は「思い出」として残る。次にバッグを新調したいと思った時、ふとあの日のことを思い出してくれる方がいるとすれば、それはECでは生まれ得ない価値です。
だからこそ、Y-Tagは今年もPOPUPを続けます。9月5日・6日は九州・福岡での開催を予定しており、その後も東京・大阪でそれぞれ1回ずつの開催を計画しています。まだY-Tagを直接手に取ったことがない方も、一度会いに来てください。

Y-Tagはこれから、コミュニティをつくっていく。
プロダクトだけが、ブランドではない。
そう確信するようになってから、次のステップが見えてきました。Y-Tagが届けたい「余白」は、バッグを通じてだけでなく、体験を通じても提供できるはずだということです。
このデジタル社会の中で頑張るすべての人が、少し立ち止まり、余白を感じられるような場をつくること。それが、ブランドとしての次のあり方だと考えています。
たとえばサウナで頭をリセットする時間。座禅で雑念を手放す朝。街に出てシャッターを切るスナップショットの日。あえてスマートフォンを置いて、現実に向き合うイベント。
Y-Tagが集めたいのは、ただの「お客さま」ではありません。デジタル社会と向き合いながら、挑戦的で快適な日常を送ろうとしている人たち。
仕事に、暮らしに、真剣な人たち。そういう人たちが自然と集まり、互いに刺激を与え合えるような場を、これからY-Tagはつくっていきます。
Y-Tagは、モノを運ぶブランドではありません。
最後に、このコラムを読んでくれているすべての方へ。
Y-Tagはただ、モノを運ぶブランドではありません。持つことで余白を感じ、前向きな決断ができる自分を見つけるブランドを目指しています。
便利なものが溢れる世の中で、選んでいただくことの難しさは、ものづくりをしているからこそ痛感しています。それでも私たちは、「デジタルワーカーの暮らしを快適に、そして豊かに」という社会的ミッションを軸に、プロダクトと体験の両面から挑戦し続けます。
これからのY-Tagに、期待していてください。
Y-Tag ブランドディレクター 山本晃貴